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狂犬病の予防法(ワクチンの予防接種の有効性と料金、医療機関情報)

狂犬病の予防

致死率が100%近くに達する狂犬病から身を守るための予防法について、具体的に紹介させていただきます。

狂犬病ウイルスの潜伏期間は2週間から半年と長いため、発症前に適切な処置を施せば、発症そのものを防ぐことができます。

狂犬病のワクチンは、今から110年以上前、細菌学者のパスツールによって開発されました。
しかし、ワクチンはアジアやアフリカの人々にとって非常に高価なため、現在も接種率が低いのが現状です。

日本では、狂犬病ワクチン接種は保険の対象となっておらず、すべて自己負担となります。
ワクチンによって基礎免疫を得るには半年かけて3回接種することが必要ですが、現在国内でワクチンを製造しているメーカーはたった1社のみに限られ、ワクチンの量は5万回分しかありません。

狂犬病ウイルスは、空気中でもすぐに死滅するほど弱く、石鹸で手を洗えばすぐに死んでしまいます。

体内に入ったウイルスが脳に向かって進むスピードは1日に数ミリだといわれています。
哺乳類に咬まれた際はすぐに傷口を石鹸でよく洗い、消毒液やエタノールで消毒することが大切です。

咬まれた後に投与し、発症を抑える製剤として「抗狂犬病免疫グロブリン製剤」という薬剤がありますが、日本では現在まだ承認されておらず、入手はほぼ不可能となっています。

国内で狂犬病予防のワクチンが受けられる主な病院は、以下の通りとなっています。

  • 「がん・感染症センター都立駒込病院・ワクチン外来」(東京都文京区本駒込)
  • 「市立札幌病院」(北海道札幌市中央区)
  • 「公益財団法人・日本検疫衛生協会・東京診療所」(東京都中央区八重洲)
  • 「霞ヶ関ビル診療所」(東京都千代田区霞ヶ関)
  • 「横浜市立市民病院」(神奈川県横浜市保土ヶ谷)
  • 「名鉄病院・予防接種センター」(愛知県名古屋市西区)
  • 「大阪回生病院」(大阪府大阪市淀川区)
  • 「日本赤十字社・和歌山医療センター」(和歌山県和歌山市小松原)

狂犬病の症状を知る(初期症状と急性神経症状)

人間が狂犬病ウイルスを保有した哺乳類に咬まれ、唾液を通してウイルスに感染すると、ウイルスは脳へ達して様々な症状を引き起こします。

各種症状は、次の通りです。

■ 初期症状 ■

狂犬病発症の初期症状としては、発熱、咬まれた部位のかゆみや痛み、熱感、食欲不振などが挙げられます。

■ 急性神経症状 ■

  • 恐水症状
    狂犬病ウイルスには恐怖心を増大させる作用があり、「水が飲みにくい」「水が恐くて手が洗えない」など、水に恐れを抱くようになります。水を飲み込む際の喉の動きに強い痛みを感じます。
  • 恐風症
    人が近くを通ったときの空気の流れが恐いといった、風や空気の流れを極端に恐れるようになります。
  • 恐光症
    光を恐れ、暗闇や密閉された空間に隠れたがります。
  • 錯乱・興奮状態
    脳が狂犬病ウイルスに侵されると、平常心が失われ、自分や周囲のことがわからなくなり凶暴化する場合があります。
    ちなみに、ホラー映画によく出てくるゾンビのモデルは、狂犬病ウイルスに脳が侵されている患者であるともいわれています。
  • 麻痺
    脳神経や全身の筋肉が麻痺します。
  • 食行動の異常
    食欲や食行動に異常がみられ、感染した動物が石や木の枝を食べたという例も報告されています。
  • 噛み付き衝動
    ウイルスが他の個体への感染を広げようとするためかどうかは定かではありませんが、噛み付きたいという衝動を抑えがたくなります。

これらの症状は平均1週間ほど続き、最終的には呼吸障害で死に至ります。
狂犬病を発症して回復した例は、世界でもわずか6例のみで、致死率はほぼ100%となっています。
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